フランチャイズ契約の際には、本部に「類似店舗の3年分の収支」の説明の義務がある!?

フランチャイズビジネス部

フランチャイズ契約の前に、フランチャイズ本部は、
 3年分の収支計画の提示
が義務化されたって聞いたけど、詳しい内容を知りたい。

こんなテーマに関する記事です。

この記事の内容

中小小売商業振興法施行規則による、
 「類似する店舗の3年分の収支の説明義務」(2022年4月1日から施行)
の内容について、注意点とあわせてわかりやすく説明しています。

フランチャイズビジネス部

フランチャイズの加盟を検討する際に、通常、本部から、
 収支計画
の資料を提示されます。

加盟検討する際には、その収支計画の数値をみて、
 事業として可能性
をチェックします。

その収支計画に関しては、あくまで、シュミレーションですので、
 見栄えの良い数値
になっているケースが多いというのが実情です。

良心的な本部の場合は、
 実店舗の数値
も開示してくれることもあります。
その場合は、その店舗のロケーション等も考慮して検討します。

問題は、
 実態と乖離した数値を提示する本部が存在する
ということです。
そういったケースでは、結果、事業をスタートしたものの、想定していた利益が見込めず、本部とのトラブルに発展することとなります。

根拠のない売り上げ、利益のシュミレーション資料を提示するFC本部は、実在します。。

このような事態を解消する為、経済産業省では、2022年4月1日(施行)より、
 中小小売商業振興法施行規則
で、フランチャイズ本部は、加盟希望者との契約前に、
「類似店舗の3年分の収支」
書面で説明すべきであると定めました。

下記にその内容について記載します。

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目次

類似する店舗の3年分の収支の説明義務

フランチャイズビジネス部

中小小売商業振興法施行規則で、
 特定連鎖化事業(コンビニエンス・ストア等の小売商業に関するフランチャイズ・ビジネス)
は、
 加盟希望者との契約前に書面で説明すべき事項
として、
「加盟者の店舗のうち、周辺の地域の人口、交通量その他の立地条件が類似するものの直近の三事業年度の収支に関する事項」
を追加すると定めました。

これにより、契約前にフランチャイズ本部から提示される収支に関する資料が、
 類似する店舗の3年分の収支
という縛りが設けられることになり、結果、
 収支計画の精度がアップすること
が期待できるようになりました。
このことにより、
 フランチャイズ本部側の収支計画に関する責任も重くなる
という見方ができます。

これまでは、フランチャイズ本部の中には、裏付けのない数値で収支計画を作っていた先も存在しましたので、それが是正される方向となっています。

但し、そうはいっても、
 フランチャイズ本部の経営姿勢、レベル
には差がありますので、結局は、個々の事案での判断にはなります。

【参考】中小小売商業振興法施行規則の一部が改正されます
https://www.meti.go.jp/press/2021/04/20210401006/20210401006.html

この規制は、「小売業」が対象となっています。
ですので、サービス業などのフランチャイズは、基本的に対象外となります。
ちなみに、飲食業は、対象になると解釈されています。

中小小売商業振興法施行規則の概要

フランチャイズビジネス部

「類似店舗の3年分の収支」は、従来のルールに追加された事項になります。
もとになる規則としては、フランチャイズ本部は、下記の書類の説明が求められています。

一 加盟に際し徴収する加盟金、保証金その他の金銭に関する事項
二 加盟者に対する商品の販売条件に関する事項
三 経営の指導に関する事項
四 使用させる商標、商号その他の表示に関する事項
五 契約の期間並びに契約の更新及び解除に関する事項
六 前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項

中小小売商業振興法第11条第1項

中小小売商業振興法施行規則の注意事項

フランチャイズビジネス部

中小小売商業振興法施行規則では、対象の事業を、
 特定連鎖化事業:連鎖化事業
と記載しています。

主に、フランチャイズビジネスのことを指しますが、ここでの解釈としては、
 特定連鎖化事業:連鎖化事業
は、小売業を対象としています。

ちょっと細かいお話しにりますが、規則上、
(主として中小小売商業者に対し、定型的な約款による契約に基づき継続的に、商品を販売し、又は販売をあつせんし、かつ、経営に関する指導を行う事業をいう。)
という記載がありますので、
 対象は、中小小売商業者
となり、加盟側が、メガフランチャイジーなど、大手企業は対象としていないと解釈できます。
もっとも、中小小売商業振興法ですので、当然の解釈にはなります。
また、同様に、小売り業に関する法律ですので、サービス業のフランチャイズに関して、対象としていないと解釈できます。
また、飲食業は対象となると解釈されています。

いずれにせよ、業界の流れとしては、2022年4月1日以降は、契約前には、本部は、
 3年分の類自店舗の収支計画
を説明することにはなります。

【参考】フランチャイズ契約の留意点(中小企業庁)

フランチャイズビジネス部

下記の資料には、
 フランチャイズ契約に関する注意事項
がかなり詳細に、記載されています。
非常に参考になりますので、フランチャイズを検討される際は、目を通しておかれることをお勧めします。

【参考】フランチャイズ契約の留意点(中小企業庁)
https://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/shogyo/2021/download/r3fy-FC-all.pdf

また、中小小売商業振興法については、下記の記載があります。

 中小小売商業振興法では、 同法の対象とする特定連鎖化事業 (いわゆる小売 ・ 飲食のフランチャイズ ・ チェ ーン)について、 本部事業者の事業概要や契約の主な内容等についての情報を、 チェ ーンに加盟しようとする方に対して契約締結前に書面を交付し、 説明することを義務付けています。

フランチャイズ契約の留意点(中小企業庁)

まとめ

フランチャイズビジネス部

類似する店舗の3年分の収支の説明義務が法制化されたことで、フランチャイズ加盟の検討資料の精度が上がることが期待できます。
ただ、その他にも、事業ノウハウ、本部の体制(商品・サービスの開発力等)、自社の状況に応じた事業かどうかなど、いくつかの検討事項がありますので、複数の視点で検討を進めることが大切と言えます。

フランチャイズビジネス部

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これからフランチャイズビジネスを検討されている方に参考にしていただければ幸いです。

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