「おたからや」という買取専門店のフランチャイズの訴訟について、知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
「おたからや」の訴訟についての内容と、気づいたことについて記載しています。
去る2022年7月7日(木)に、Yahoo!ニュースに、
買取専門店「おたからや」のフランチャイズ契約に関する訴訟
についてのニュース記事が記載されました。
ニュースリソースは、
弁護士ドットコムニュース
の記事からとなっています。
※記事の内容は、下記に引用しています。
内容としては、
フランチャイズ契約時における、本部からの指導、援助がなく、廃業にいたった
ことに関する訴訟である。
つまり、
フランチャイズ加盟時の契約内容と、実際が異なった
ということである。
フランチャイズビジネスの場合、こういった内容のトラブルは、昔から存在しています。
だいたいが、
・契約前に提示された売上げ予測の根拠が乏しい
・本部の支援体制が不十分である
という結果、
売上げ不振により、経営が行き詰まる
という状態になるというものです。
もっとも、訴訟ですので、通常は、原告と被告での言い分が異なります。
ですので、実際の状況がどうだったかは、この記事だけで判断するには、不十分な部分があります。
しかしながら、複数の加盟店が、同様の状態になっているということであれば、一定の範囲で、原告側の言い分に近い状況があった可能性もあります。
加盟店側の視点で、こういった状況に陥らない為には、どうすればいいのでしょうか。
結論からいうと、シンプルな内容になってしまいますが、
フランチャイズ契約は、慎重に検討する必要がある
ということにつきます。
本部の営業が熱心に勧めたとしても、提示内容に不明瞭な点があれば、無理に加盟する必要はない訳です。
下記に、記事の内容と、その内容について考察します。
ニュース記事について
記事の内容について、下記に引用します。
内容的には、加盟店側の見解ですので、フランチャイズ本部側は異なった見解にはなると想定されます。
ただ、同様の事案が複数発生しているとなると、やはり、
フランチャイズ本部側になにかしらの問題があった可能性
もあります。
記事のなかでは、
・収益予測
・本部から加盟店への支援内容
・直営店との競合
といった点が問題視されています。
FC契約しても指導や援助なく廃業、買取店「おたからや」運営会社を提訴
2022年07月07日 16時46分
全国で1200店を超える買取専門店「おたからや」のフランチャイズ(FC)契約で、
本部から売上や収益予測を示すなど適切な指導・援助がなく廃業した
として、同店を運営するいーふらん(横浜市)に対し、関東地方の7人が7月7日、計約3980万円の賠償を求め提訴した。
原告側が同日、都内で会見し、原告の男性1人は「だまされた気分」と話した。川上資人弁護士は「加盟店を増やし、ロイヤリティや協賛金を集める目的だったのでは」などとし、不当に加盟者を集めたとして独禁法違反で公正取引員会にも措置を求めたことを説明した。
●ころころ変わる担当者、入って半年の「新人」も
原告側によると、7人は契約時に100万〜300万円の加盟金を支払った。本部の担当者から
「1億円はかたい」「3カ月で投資は回収できる」など
と繰り返し勧誘され、契約に至った。契約後には、担当者が変わる。原告の1人は「経験3年以上の社員がフォローする」と言われていたにもかかわらず、実際に来たのは入って半年や1年の「新人」ばかりだった。
契約時に交わす確認書には「弊社が貴殿に提示した立地予測評価に基づいた売上、経費、収益、損益、事業計画について」との文言があるものの、実際には提示されていない。この点から、同社が加盟店に対して的確な情報を提供しなかった保護義務違反だと主張している。
●「おたから眠ってる」と勧誘され出店、近くに直営店ができて大打撃
契約後に出店するエリアを決める段階でも、疑問点があるという。原告の1人は「このあたりは大きい家があるから、おたからが眠ってる」などと勧められて出店したが、実は過去に2店舗が廃業しているところだった。
まもなく近くに直営店ができ、客が激減した。また、別の原告の1人は、自身が決めていた場所を提示すると本部に却下された。やむなく近くで開店したが、数カ月後、もともと予定していた場所に「おたからや」直営店ができた。食い合う結果となり、廃業を余儀なくされたという。
●被害者の会も結成
同社ホームページによると、「おたからや」は全国で加盟店1156店、直営71店の計1227店(2021年11月時点)を展開する。原告以外にも、全国に同様の被害を訴える人が数十人おり、本訴訟とは別に被害者の会を結成している。また、YouTubeで「加盟店を増やす営業ノルマがある」などと発信する同社元社員もいるという。
同社は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「提訴は初めて知った。内容を確認していないので、コメントできない」としている。
引用;弁護士ドットコムニュース https://www.bengo4.com/c_5/n_14687/
フランチャイズ加盟時のポイント
今回の訴訟のケースでは、
・売上や収益予測
・支援体制
の他、
・店舗立地に関する点
が、契約時と実際で異なったという点を争点としています。
この事例での教訓としては、加盟店側として、契約時には、
フランチャイズ契約の際に提示される、店舗経営に関する数値、支援体制、立地等、
の内容に関して、
どれだけ裏付けのある内容なのか
を判断する必要があると言えます。
つまり、本部の担当者の提示内容を、そのまま受け取とらずに、
自身のチェック基準をもって、判断する
という視点が重要となります。
なぜなら、加盟店は、
独立した経営者
だからです。
フランチャイズ契約に限らず、ビジネス上の契約の取り交わしには、細心の注意が必要となります。
もっとも、可能性として、本部側が、明らかに裏付けのない説明をするような、悪質な場合もあります。
そういった場合は、後々のトラブルに巻き込まれないように、
早いタイミングで、加盟しない旨を明確に伝える
ということが重要になります。
結局、加盟金を支払って、損をするのは加盟店側になるからです。
ビジネスモデルが優れているか? が最も重要
今回のケースでも、例えば、
本部の支援が不十分だった
としても、
利益があがっていれば、訴訟にいたらなかった可能性
もあります。
つまり、極端な話しとして、
本部の支援が期待できなくも、利益が見込めるビジネスモデル
であれば、経営に行き詰まるリスクも低減できる訳です。
例えば、初期のFC本部の場合、支援体制が不十分なケースも多い為、
十分な支援が受けられない可能性
もあります。
そのようば場合は、特に、
利益が見込めるようなビジネスモデルかどうか
も判断する必要があると言えます。
補足
「おたからや」さんの場合、
被害者の会のホームページ
も存在しており、複数の加盟店が、本部の姿勢を疑問視しているという状況になっています。
フランチャイズ本部を運営している会社のHPは、下記になります。
訴訟のニュースがでた時点でのコメントは、特に、記載は無いようです。
さいごに
「おたからや」の場合、店舗数が1200店以上とかなりの規模になっています。
ですので、加盟検討時に、売上げ予測や、支援体制も、相応のレベルにあると期待する状況にあった可能性もあります。
いずれにしても、フランチャイズの本部は、会社によって、かなりの差がありますので、その会社の経営姿勢も含めて、
加盟検討の際には、本部からのデータを鵜呑みにせずに、客観的に判断する
必要があります。
少なくとも、
本部からのサポートを過度に期待すること
は避けたほうが賢明と言えます。
以上、「おたからや」の訴訟に関するニュースの考察についてでした。